木材と乾燥


木材と乾燥について、調べてみました.実に難しいが、面白いですね。

吉野杉は、「密植、多間伐、長伐期」が特徴と聞いています.密植により木目の詰んだ、50年程度の間伐材を柱材(芯持ち材)にしているのだと理解しています。手がかかっているため、他の産地より高いと思います.さらに、長伐期の太い木材(高価)から切り出す柾目の柱は非常に高価であると解釈しています。

飫肥杉は、密植しておらず、温暖多雨な気候から、成長が早く、目が広い、のびのび育った杉で、油分が多く、曲げやすいため、昔は、船の材料として有名であったと聞きました。35年程度の杉丸太から芯持ち材を製材していると理解しています。

都城貯木場の目の詰まった丸太の年輪が50年程度、目の粗い丸太の年輪が35年程度だったような。?

芯持ち材の利点は多い(コスト、強度、防虫など)ですが、欠点は、必ず割れが入る事にあります。芯持ち材と割れについて、以下が参考になりました。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/33435?STYPE=1&KEY=73070

天然乾燥の方が、人工乾燥に比べてゆっくり乾燥するので割れが小さい(少ない)と思っていましたが、そんな単純な話では無いようです。以下のサイト参照にして考えてみました。

http://www.pref.ehime.jp/120yaw/350yaw-ringyo/00004772040525/mokuzai/tennnen/tenkan-6tennenkansou.htm

「スギの天然乾燥は、8月開始なら2カ月で25%以下になるが、他の時期では初期含水率80%以下でなければ難しい。また、3カ月経ってもバラツキが大きい。」

高温期(8月9月)の乾燥が速い。

「天然乾燥に伴う、スギの材面割れは、6月開始が最も損傷が少なかった。年間を通じて、いずれも貫通割れはなく、構造材のJAS品等評価による降級因子とはならなかった。」

始めちょろちょろ(6月:中温・多湿)、中ぱっぱ(8月:高温)が、割れない乾燥に適しているか。

乾燥の方法を工夫すると割れを小さくできると思われます。木材の内部から外周部への水分勾配を小さくする、内部から外部へスムースに水分放出させる様に乾燥させる事が重要と推定します。(人工乾燥でも、きっとそんな工夫をしているのでしょう)

芯持ち材が乾燥と共に割れるのは当然であり、割れている事が強度を上げた(乾燥した)証拠と考えます。

うちは大壁なので、割れが気になるのは、9本の柱だけです。(梁は、割れの入るところが、長辺の真中辺りと決まっています)それでも、見た目をちょっとは気にして、割れを起さない工夫を考えます。
(1)建てる時:木目の細かな木材を使う。
(2)建てた後:急激な乾燥をさせない住み方(部屋の使い方)をする。
クーラーや乾燥機を部屋でガンガンかけない。1年間くらいは、平衡水分量まで乾燥させるのに時間がかかるかな)