本「武田信玄の古戦場をゆく」

本「武田信玄の古戦場をゆく--なぜ武田軍団は北へ向かったのか?」安部龍太郎(集英社新書)

「日本海にさえ出れば、奥州南部氏や若狭武田氏と結束して日本海交易を掌握できるばかりか、上洛の道も広々と開ける。陸路を用いたり、駿河湾に出て太平洋航路を西にたどるよりも、はるかに有利で安全なのである。そう考えれば、信玄が生涯の大半をついやして北に向かった意味が良く分る。彼は武田家の当主となった直後から信濃、越後を平定して上洛する野望を抱いていたものの、越後の虎と呼ばれた上杉謙信の壁を打ち破る事ができなかった。」

どうして5回も川中島合戦の必要があったのか、はじめて納得できた。